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ACT.6 恋愛とT.RPG
恋愛はいいよねぇ・・。
なんていうか、自分でも不思議なくらい恋人に夢中になれる時。誰かを好きなった人には、絶対にわからない感覚だと思う。その感覚を知らない人は、淋しいと思うし、恋愛を通じて経験する喜びや苦しみを味わってほしい。必ず、何か得るものがあるはずだから。
恋愛に関するマニュアル本的なものは、ハードカバーや小説、さらには雑誌の特集までに及んでいて、みなさんもどこかで必ずそれを目にしているはずである。そのマニュアル本を読んだからと言って、恋愛がすぐできるわけではない。この点については、T.RPGと似ている。例え、ルールブックを読んでも実際にプレイしてみなければ、T.RPGのすべてを体験したとは言えない。
私も古本屋や本屋などで、恋愛のマニュアル本的なものに目を通して、たまに購入することがある。別に、それを読んで恋人を作ろうだなんて思っていない。ひとつにネタとして読む程度で、所詮、他人が書いた集計的な一般論。変化し続ける現実には追いつくことができないのである。例えマニュアル本の内容を頭の中に叩き込んでも、それをどう使うかである。自分のものにしていくか、マニュアル本のままありふれた対応になるか、と個々に差が出てくるのは当然である。ルールブック内容絶対主義の人間と一緒にプレイすると、窮屈な感じが出てくるのと同じ感覚であろう。
1つの考え方・1つの方向性で進んでいけば、すぐに終点につく列車と同じである。今のコンベンションの中でも、何もなくテーマなくただ開催している状態のコンベンションは、例えるなら山の手線である。同じところをぐるぐる回ってだけのように思える。コンベンション運営マニュアルにのっとっただけのコンベンションは、主催団体者名と開催場所が違うだけで、みんな同じである。どこかで魅力やオリジナル性を出さなければ、お客さんは来るはずがない。
流行を追って、それに身をつつんでも、いつかは流れてしまい消えていく・・。流行とは違う自分の中で不変的な魅力が出ている人でないと、本当の意味での裸の恋愛はできない。体の上に着飾ったブランド的要素の魅力は、薄っぺらいものでしかないのだから。
コンベンション来ているプレイヤー&GM、そして運営者の半数以上は恋人がいないと思われる。一部、カップルでコンベンションに来ている人や、結婚されてコンベンション運営をされている方などがいるが、あくまでもそれは一部であり、その大半は恋人がいないと勝手に思っている。間違っていたら申し訳ないが、ここでは私の自論を書かせてもらう。
「恋人や恋愛がそんなに重要か??」
という意見が多く飛び交ってくると思うが、その人それぞれで一貫した完全な回答はない。私が今から書くのは、1つの方向性であり、考え方である。
現代社会には、擬似的な恋愛体験をさせてくれる媒体が多くある。風俗店での恋人プレイや、画面の中で疑似恋愛の恋愛ゲーム。恋愛ゲームに至っては、数多くのハードにおいて、数多くのソフトが発売されており、その中には現実には絶対経験不可能な恋愛のかたちを体験できる。誰が見ても犯罪だと思える行為でも、体験可能なのである。
女の子のゲームキャラやアニメの女の子キャラクターについて、真剣に語り合い論議を繰り返している姿を見ると、正直言って私はひいてしまう。私がその立場の人間ではないので、理解しきれないのは当然なのである。私には恋人がいる。現実の恋愛の方が、ゲームよりも楽しいし面白いと思っているので、ゲーム内での恋愛疑似体験をそれ程必要としない。
「恋人や恋愛がそんなに重要か??」という私の答えとして、仮想・現実の両方で恋人を提供している。そして、それに対しての需要がある・・というのが私なりの答えである。
さて、T.RPGでは、男が男キャラクターを、女が女キャラクターを必ず演じなくてはいけないという規則はない。プレイするキャラクターの性別は、自分の性別に沿う必要はないのである。私も女キャラクターを今までに多く演じてきた。しかし、男が演じる女キャラクターは少し気持ち悪いし、女が男キャラクターを演じようとしていると「せっかくの女性プレイヤーなのに・・」と言った気持ちになるのが私の本音である。
異なった性別のキャラクターを演じる時に、そのキャラクターの性格は、プレイヤーの異性に対する理想論とイコールする場合がある。しかしそれは、現実離れした人間像になっているので、その理想像に見合う人はいない。だいたい、アニメやゲームの中のキャラクターに酷似している人間なんていない。恋人がいない・恋愛をしない人は、T.RPG中で自分の理想の人を無意識演じているのかもしれない。
前に聴いた話だが、女性は男性よりゲームにはまらないらしい。それは、女性が持つ「現実的な考え方」が理由だそうだ。それに沿っているのか、男ばかりのコンベンションが多く、女性は少数である。
美人ばかりの中では、ちょっと可愛いくらいでは歯が立たない。しかし、ブスだらけの中ではちょっと可愛いだけの子でも評価は美人扱いである。さらに、男ばかりの中の紅一点は何故だか可愛く見えるのが不思議である。運動部のマネージャーなどがその例である。
人はその場の中で、一番可愛い(かっこいい)人を探す傾向がある。コンベンション会場での女性プレイヤーは少なからずともチヤホヤされている。女性に接する機会が少なく、疑似恋愛体験漬けの人間には、生身の女性と接点を持てる重要な場なのであろう。コンベンションをそういう人達の為の出会いの場にしたくはない。しかし、コンベンションでの集客増大をはかる為のエサとして、女性プレイヤーは今だに効果がある。女性プレイヤーが多いコンベンションは、人の集まりが良い。
G−S.T.F.について言えば、女性プレイヤーをエサにしてまでお客を集めようとまで思わないし、そんなエサに引っかかる人は来て欲しくない。何故ならシステム制作をメインとしているので、そのシステムの魅力で勝負していく。G−S.T.F.コンベンションの目的の多くはそこにあると言える。
最後に、コンベンション会場で誇らしげに彼女と肩を組んでいる姿を見て、思わず苦笑してしまったことがあった。別に彼女がいることぐらい、自慢でもなんでもない。恋人が有名人でも、その男の恋人にはかわりがない。
疑似恋愛世界の中にはまっている人間より、一歩前へ踏み出して生身の恋人がいるだけ、少しは人間味があるのではないだろうか?
2000年11月20日
文責:しんやすなおき(愛知オリジナルシステム界のプリンス)
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